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世相の「命」とその重さ

 日本漢字能力検定協会の公募で今年の世相を表す漢字に「命」が選ばれたそうで、9万2509票中の8363票だから、9%強。悠仁親王様の誕生やいじめ自殺や死亡事故などで「命の重みを痛感した年」という事らしいけれど、それを反映してか、クリントイーストウッド監督の映画が大ヒットですよ。
 硫黄島の玉砕の話は有名な話ですが、あえて日本側から見た「硫黄島からの手紙」と米国側から見た「父親たちの星条旗」の2部作であることは興味深いですよ。防衛庁の「戦史叢書」では日本軍の戦死19,900名、戦傷1,033名となってるけれど、厚生省社会・援護局の調査では日本人が21,149人、米国人28,686人となっていてあまりに多くの方々が亡くなった。映画では小笠原地区兵団長の栗林忠道中将が上陸部隊6万1千人(海兵隊)、火力支援・補給担当(海軍)22万人という質量ともに優る米軍に対抗するため、地下に坑道を掘って立てこもって持久戦を行う作戦にでて、当初米国では5日間という試算をしていた戦闘が1ヶ月以上にも及ぶ。
 昭和20年だから軍事招集で職業軍人以外の方々も多かったと言いますが、この方々は本土爆撃の中継基地となる硫黄島を渡すことがより多くの国民の死をもたらすと察してまさに死守してくれたんですね。敵を倒す戦いと言うよりは未来の日本人、つまり我々を守るために命をなげうったって訳ですよ。
 命を奪うから戦争が遺憾というということ以上に、その方々の思いを察するに「今の日本ってこれで良いのか」って思うです。親が子を殺したり、子が親を殺す、死に追いやるまで人を傷つけたり、それを見て見ぬふりをする。簡単に死を選ぶ人がいるですよ。とりあえず、死なないことから始める、そして死なさないこと、生きる希望がもてる町が増えれば、国が変わってくるんじゃないですか。
 米国は可能な限りの遺骸を国が回収したそうですが、日本はそれをしていない。もちろんサイパンやグアムでの戦没者の方々はあるのだけれど、硫黄島は東京都小笠原村でれっきとした国内。今は防衛庁が無断立ち入りを禁じてる島です。

atsu-papaの投稿(08:16:00-2006-12-13) - カテゴリ: Main

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