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atsu-papa
2008-06-04
投資家の欲する物
ズラの雄アデランスが思わぬ所から経営陣交代に至ったですよ。
アデランスホールディングスの5月29日の株主総会であっさり2号議案の「取締役9名の選任」が否決されて、会社側もそのまま容認した形になったですから、筆頭株主のさえもがびっくりの事態です。
元々、岡本孝善社長以下7名の株主軽視は指摘されてたみたいですが、少なからずミヨイクログロのアデランスはそれなりに業界の雄だったことは間違いないです。だからこそ評判の悪い投資ファンドのスティール・パートナーズ社が株価が下がったのを機に買い占めにも走ったですよ。
だけどそれ以上に経営陣に憤りを表現したのは一般のの株主だったですかね。多分、濫用的買収者というイメージが広がってほかの一般出資者の目が厳しくなってきた最中で協調路線へ移行しつつあるスティール・パートナーズ社にしてみれば、「瓢箪から駒」の事態です。
元々株式を公開する時に企業の社会性と創業者利益の狭間で会社の存在が問われることがあるですが、いずれは市場の中で本来の会社の経営理念や経営方針が洗われていくことは言うまでもないです。株式会社である以上オーナーは間違いなく株主ですし、その意向の範疇で、社員の処遇やマーケッティングを左右する経営陣の人事が決められる物ですから、単なる投機だけに左右されてはいけないという倫理が生まれるですよ。
今回のケースは完全にその逆だったですね。経営姿勢そのものが株主に嫌気を指されちゃった。さらに、その会社は米国投資ファンドが食指を延ばしてる企業だったって事で誠に経営陣のお粗末がさらけ出された格好ですよ。
もっとも、生き馬の目を抜きかねない今の世で営業成績が低迷して来たら経営者の苦悩は半端じゃないです。主力の毛髪関連事業で市場競争が激化して利益が対前年比50%減もするとやる気なくなっちゃうのも察するに無理もないかもです。
本来は、出資者の期待に応えて業績を伸ばす経営者が望まれ、出資家もその経営者に企業のコンプライアンスとパフォーマンスを求めるのがあるべき姿なんだと思うですが、世界的なインフレの中でつらい経営が続く中で経営者が簡単に音を上げちゃった例なんだと思うですが、今からこんな例が続出するかもです。
コンプライアンスの合い言葉の中で求められる物がますます多くなっているですから、経営者は厳しいですよ。オーナー経営者は株式公開で得る物は創業者利益だけで、さっさとM&Aかけた方が得策だったり、資金調達だったら株式市場以外の社債なんかの方が遙かにリスクが少なかったりするですから、企業の経営環境は日本の持ってた投資家の頭の中の文化の変化とともにダイ変革を迎えようとしてるです。
中小企業はそんな風土の中で、まずは生き抜くことを考えないといけないですから、上場してなくっても社長さんは大変な時期ですね。